焼き菓子店 ボンボンシエルの「製菓理論」講座

自分のオリジナルお菓子ブランドをつくりたい、第2の人生にお菓子屋さんをやりたい、というお客様の声を受けて、プロのスキルとして必須である「製菓理論」をわかりやすくまとめました。お菓子の味を安定させる技をぜひ習得してみてください!

バター生地 フラワーバッター法

バター生地の基本製法フラワーバッター法について

 

前回、バター生地の基本製法シュガーバッター法についてご紹介しました。今回はもうひとつの基本フラワーバッター法について。

バター生地のこの2つの基本製法はやはりきちんとおさえておきたいです。

 

油脂と砂糖をすりあわせた後に砂糖、卵を加える

 

フラワー(粉)+バター(油脂)から始めるのがフラワーバッター法。

  1. バター(油脂)
  2. 砂糖

1→2→3→4 この順番で混ぜていきます。

《具体的な工程》

計量

  1. 卵を割り全卵の重さを出す。(四同割りの基本重量になる)
  2. バターを卵の重さと同じ量計る。(ここに他の材料を加えていくので大きめのボールに)
  3. 粉を卵の重さと同じ量計る。
  4. 砂糖卵の重さと同じ量計る。

型の準備

 型に合わせてベーキングペーパーをカットし敷き込んでおく。

*頻繁に焼く方は繰り返し使えるベーキングシートを型のサイズに合わせてカットしておくと便利です。

生地の仕込み

  1. バターを指で押して少し手応えがあるけど指が入るくらいのやわらかさにする。このバターのやわらかさがバター生地を上手に作る重要なポイントになります。私は電子レンジ機能でバターを柔らかくすることはおすすめしていません。柔らかくなり過ぎの傾向があるため。
  2. ホイッパーのワイヤーがバターにひっかかり、手で立てる場合は少しだけがんばってホイッパーを動かす感じの感覚でボールの中のバター全体が同じ状態になるまでホイッパーをまわす。
  3. ふるった粉を混ぜる。周りに粉が飛ばないように丁寧に加えます。
  4. バターと粉がすり混ざり、粉気がなくなるまで混ぜる。
  5. バターの中に空気をたくさん含ませるイメージでバターを立てていく。バターは空気を含ませる事が出来る油脂です。
  6. 固いバターの時の黄色っぽさが消え、空気をたくさん含んだ軽い感じの白いバターになるまで立てる。空気を含んではいますが重いバターという感じ。
  7. 砂糖、卵と混ぜ合わせていきます。

ここは、砂糖の種類によって合わせ方を変えるとよいと思います。

例えば粉砂糖のようになじみやすいものの時は粉とバターのところに粉砂糖→全卵と順に混ぜ、その他の粒子が大きい砂糖は砂糖+全卵にしてから混ぜる。全卵に砂糖をしっかり溶かしたものを加える。

〈粉砂糖の工程(粒子の細かい砂糖)〉

  1. バター
  2. 粉砂糖

〈グラニュー糖(例)の工程(粒子の粗い砂糖)〉

  1. バター
  2. グラニュー糖+卵

砂糖の粒子をしっかり卵に溶かす事によって生地に砂糖の粒を残さず混ぜ合わせる事が出来ます。

 

 

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型入れ

  1. 準備しておいた型に生地を入れる。
  2. 軽く表面をならす
  3. 型を1cmくらい持ち上げトンッと優しく落とす。

シュガーバッター法で仕込んだ生地より柔らかい生地になるので型に広がりやすいと思います。

パウンド型の場合よく見るのは型の両サイドに生地を押し付けて真ん中を窪ませる入れ方がありますが、これはご自由にご自身の判断でやるやらないを決めてよいと思います。ちなみに私はやりません。なぜやらないかというと、個人的な見解ですが、やってもやんなくてもかわんないなぁと思ったので。なので逆に型入れのとき必ずやるのは、生地を入れ終わった後‘優しく‘落とす作業。これは生地を型の隅まで行き渡らせる事と型に均等の高さで生地を広げる為にやっています。

 

焼成

  1. 表面が乾いて膜が張っている状態になったら真ん中に切り込みを入れる。(約10分後)
  2. 生地の亀裂が大きく膨らみ亀裂の真ん中の生地まで焼けているのを確認する。(約25分後)。確認の仕方はいろいろですが、私はオーソドックスに竹串をさして何も付いてこなければOKのやり方をしています。これが一番確実かと。
  3. 型を10cmくらい持ち上げパンッと落とす。生地を入れた時とは逆に焼き上がりは強めにショックを与えます。生地の中の空気をショックを与える事で均一に生地内に広げる為です。これはスポンジ(ジェノワーズ)の焼き上がりの際、必ずしなければならない工程でそれをバター生地でも取り入れています。

焼成温度について

パウンドケーキの基本的な焼成温度は160〜170℃です。ただこれはあくまでも目安として考えてください。実際焼く時は焼くオーブンの説明書にまたはレシピ等が載っている小冊子などの設定温度を参照してください。

 

型入れから焼成まではシュガーバッター法もフラワーバッター法も仕込み工程としては変わりません。

ではシュガーバッター法とフラワーバッター法どんな違いが出るのか気になるところですよね。

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シュガーバッター法の別立て法とフラワーバッター法で焼き上げる実習をしていてだいたいみなさんが試食の際食べてみて言うのは

とりあえず

「全然ちがうぅ〜!」

とにかく違う。これは間違いなく誰でも言います(笑)

つまりそれだけわかりやすいということです。

シュガーバッター別立て法はほろほろ崩れやすい食感。気泡が大きい。

生地に空気がたくさん入ればつながりが柔らかくなる訳ですからほろほろしますよね、メレンゲ入ってるんですもの。

フラワーバッター法はしっかりつまったきめ細やかな食感。気泡が細かい。

 バターと粉とで立てているのでバターに取り込んだ空気が主になるわけで膨らみ方が変わってきます。 

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同じ配合なのに、卵を別々に使ったり混ぜる順番を変えたりするだけで違う食感になるって面白いですよね。

 

そしてそれが自分が求めている食感をつくり出す方法のひとつになると思いますし、まして商品ともなれば「誰でもわかる違い」というのがとても大事だったりすると思います。作り手として違いを知っておくのは基本かもしれません。