焼き菓子店 ボンボンシエルの「製菓理論」講座

自分のオリジナルお菓子ブランドをつくりたい、第2の人生にお菓子屋さんをやりたい、というお客様の声を受けて、プロのスキルとして必須である「製菓理論」をわかりやすくまとめました。お菓子の味を安定させる技をぜひ習得してみてください!

'ういろう’状態からの脱却を目指して

「せんせ、パウンドをカットしたらこんなシミみたいなのが...

これってなんなの?」

 

「あーーーー...’ういろう’みたいになっちゃったやつか.........」

 

「そう!まさに’ういろう’(笑)」

 

 

'ういろう'みたいなものの正体 

 

この’ういろう’みたいのは

下の画像で言うところの真ん中のやつ

 

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これってパウンドをカットしてみないと状態がわからない

まさに

シフォンケーキを型から外す時の感覚ですね(笑)

型落ちしてたらどうしよう.....ドキドキ......。

 

実は私...何度となくこのういろうケーキ焼き上げています。

原因が自分のなかではっきりわかっていないからだと思うんですけど

 

生徒さんから質問には明確に答えなければと再びバター生地に取り組み始めたわけですが

結局のところ、今言えるのが

やはり「乳化」

です。

「原因は乳化だと思うんですけどね」と生徒さんにこたえたら

「でたっ!乳化っ!」(笑)

 

まあ原因が乳化なんだから改善は簡単なことかと思いきや

バター生地の乳化は

生地の乳化状態を見極めるのがすごく難しい

特にフラワーバッター法は先に粉をまぜることでつながっているようにみえちゃうので。(シュガーバッターだと卵と脂の分離状態がすぐわかりますものね。)

なのでフラワーバッター法だとどんどん材料を混ぜ合わせていけばいいってなるわけで、混ぜ合わせのタイミングや乳化しやすい配合ならばそのままいけちゃうこともありますけど、今回はそう易々と焼き上がってはくれない配合でしたね(笑)

 

配合のことに触れておきます。

今回はバター生地の一番軽いと言われる配合で作った訳ですが

 

卵:バター:砂糖:粉

1:0、6:0、6:0、6

の配合。卵を100gとして考えると

100g:60g:60g:60g

卵を水分と考えるとこの配合、水分の多い生地になります。

「水」と「脂」を乳化するとしたら単純に考えれば

半分近くの水分が混ざりにくい状態になるということですよね。

この配合かなり難しい配合です。

'ういろう'っぽい部分はまさに乳化されずに集められた水分の多い生地みたいですよね?(個人的な考察)

 

 

それを、簡単に'混ぜれば良いだけ'の感覚で焼いてもらっちゃったのは

反省点でもあるのですが、横で見ていても丁寧に作業されていたので。

生地状態も悪くなかったんだけどなぁ...

 

またお菓子の奥深さに気づかされる。。。

 

 

真ん中の'ういろうケーキ'の工程を追ってみます。 

 

 フラワーバッター法でバターと薄力粉を混ぜて立てたところ

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  砂糖を加えたところ。ぼろぼろの状態でも、この後、卵を加えるのでなじむであろうとこの状態から卵を加え始める

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卵加え終わりの生地

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 型に入れて窯入れ

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で、焼き上がったのが真ん中のタイプです。

見事なういろう(笑)

生地がしっかり乳化されていない状態だったということでしょう。

卵で無理につなげたし。

 

あ、

ういろうの名誉のために言っておきますが

ういろうはとっても美味しいお菓子です。

 

パウンドの話にもどりますが

一番始めの画像の向かって左側は同じフラワーバッター法

右側はシュガーバッター法。同じ配合割合で焼いています。

この2つは

始めの工程から「乳化」を意識して仕込みました

  • 何かを加える時に全部「少しづつ加える」
  • 混ぜる時は「ゆっくり混ぜる」

この2点です。

卓上ミキサー使いませんでした。立てるところだけハンドミキサーで。

卵を加える時はすべて手作業。

そうしたらなんとか許容範囲の仕上がり。

どうやら乳化はパワーで持っていこうとしてもうまくは行かないようです。

手感覚で乳化を確認していくのが今のところの得策かもしれません。