なるほど!お菓子事典 〜小さな製菓専門学校〜

製菓理論専門家が軽やかに、そして熱く語ります。

オリジナルギフトの受注から納品まで。ひとり営業の場合…

ご注文いただいたギフトの納品が終わったので少しほっとしています。

今回はひとりでどんな感じに仕事を進めているのかちょっとご紹介します。

仕事の進め方は人それぞれなのですけれど(笑)

 

ご依頼をいただいたのが納品日の一週間前。

オリジナルギフトなので、ご依頼ごとにご希望をお伺いしています。

これはひとり営業だから出来ることかと思います。

  • 法事のお返し用のギフト
  • 20箱弱のご注文
  • 箱の大きさはコンパクトに、でも内容は充実のご予算

 

6日前

・足りなそうな材料の発注

・箱折り。

実は箱を折って組み立てるのも結構時間がかかるものです。底箱、ふた、中敷と工程は3回。

・アイスボックスタイプのクッキー、抜き型を使うクッキーの生地仕込み及び成形。

アイスボックスタイプと言うのはご存知、生地を棒状にして冷凍庫や冷蔵庫で冷やし固め、包丁等でスライスしてから焼成するタイプ。うちの基本ラインナップでもある「ディアマン」はそのタイプです。'冷やして固めておく'ので最初の仕込みになります。

・スノーボールの仕込み及び成形

4日前

・仕込みしたアイスボックスタイプのクッキー類を焼成。

棒状にした生地にグラニュー糖をまぶし付けカットするところから.......。

カットしたものを天板に並べて焼いていきます。6取り天板2枚でまわしていくので焼き上がりすぐに次の生地を並べる事ができないので、そんなにスムーズにはいきません(笑)いつもは2枚あれば十分な天板がもっと欲しくなるのはこんな時。

焼き上がって冷めたらラッピングするまで保存。バットの中にシリカゲルを散らしてしっかり包んでおきます。

・スノーボールの焼成。仕上げ迄。こちらもシリカゲルを散らしてしっかり保存。

・抜き型クッキーの焼成準備とくるくるクッキーの成形。

仕込みして休ませておいた生地を延ばして型抜き作業。抜いた生地を焼けそうだったら焼いてしまいたかったけれど暑さでちょっとだれ気味だったので再度休ませることに。

くるくるクッキーも同様に。くるくるも焦ってやると綺麗なくるくるにならないのでここはちょっと我慢(笑)これはわたしだけかも....実際のところくるくるが綺麗ないい感じになったのはゆっくりやれた時なので。

3日前

 生地仕込みから焼成まで出来るものを焼成していきます。

この日は型を使うもの。

・ハートのクッキー

・オレンジピール入りショートブレッド

粗熱が採れて、カットするところまで。

こちらもラッピングするまでシリカゲルを散らして保存。

・型抜きクッキー、くるくるクッキーの焼成。

もちろん同様に保存。

2日前

生地仕込みから焼成まで出来るものを焼成していきます。

この日は絞りクッキー2種

・キスチョコ型クッキーとレモン皮を混ぜ込んだ小さなクッキー

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ここまでで、全種類のクッキーが焼成終了。

箱入れを始めます。

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始めは紙カップに入れるだけにするつもりだったスノーボールクッキー....やっぱりこれだけ別途袋詰めにしようと再度PP袋に詰め直し。

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お菓子の製造と平行して内容表示のご案内の準備もすすめます。

デザインと印刷はデザイナーにお任せ。

これはありがたい。

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ご案内をどう入れるかは毎回考えます。

花びらを少し使って.....

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  • ディアマン(バニラ)   シンプルに仕上げたバニラのクッキー。
  • ディアマン(ココア)   たっぷりのココアパウダーを混ぜ込んだ濃厚なクッキー。
  • ディアマン(アールグレイ)    アールグレイグレイの茶葉を混ぜ込んだ香り豊かなクッキー。
  • ココナツ   ココナツの香ばしさをしっかり感じるクッキー。
  • スノーボール    人気のスノーボールクッキーはクルミ入り。ひとつひとつ丁寧に丸め、粉砂糖をたっぷりまぶしました。
  • ショートブレッド 厚焼きのバタークッキーです。アクセントに刻んだオレンジピールを混ぜています。
  • ハートクッキー オートミール、ココナツ、クルミをハート型に焼き上げ。
  • くるくるクッキー ココアの生地にはシナモン、バニラの生地にはジンジャーをほんのすこし効かせています。
  • キスチョコ型クッキー キスチョコをイメージして焼き上げたクッキー。小さなお子様に人気です。
  • レモン風味のクッキー サクサクの生地にレモンの皮を混ぜ込んだ爽やかなクッキー。
  • 四つ葉のクローバークッキー お菓子を食べてしあわせな気持ちになっていただきたくて添えました。

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・表示シールの印刷、貼付け。

前日

・包装作業

・請求書作成

・お客様にご依頼品出来上がりの連絡

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今回は法事用と言う事なのでラッピングもその仕様に。リボンはしません。

ひっくり返して開かなくて良いように包んでいます。

 

ひとり営業の場合

同時進行で進められる事がほとんど無いので何をどう進めて行くのかを自分で把握しながら発注や仕込み、焼き込み、ラッピングまで取りこぼし無いように作業する必要があるんですね。それに時間も自分が思ってる以上にかかります。普通のお店だと工房で焼き上げた物はお店の販売員さんが詰め始めてくれたりするわけですから時短になりますよね。

そして、自分自身でこだわりたいことがあったりしちゃうわけなので、

実はこの

'こだわりたくなっちゃうこと'

'手間がかかること'

につながっているのも事実。

たとえば完全オーダー制もその都度その都度作るものを考えて入り数を決めて。

って.....なるわけですし、そうなるとご案内もその都度考えて作り込みをして。

となります。

始めからいろいろ決めておけばいいのでしょうけれど(笑)普通のお店はだいたいギフトの仕様も決まってます。

ボンボンシエル...これでもだいぶ以前よりアイテム絞り込んで来ています。前はもっと細かくやってました(笑)ラッピングペーパーも毎回違うの使ってましたし。

ただね....

手間でも何でもその方が愉しいから

だからできるんですよね。

でも売上げ率は低くなる事を覚悟しておかねばならないのもお伝えしておきます。

だって人件費としたら時間がかかると言う事は人件費いっぱいかかってるということですから。

人件費のこと気にしてたらきりない (笑)これがひとり営業です。

 

今回実は納品日までギリギリの日数だったのでかなりタイトな一週間でした。

いつもは10日以上お日にちいただいているので、間に合うかドキドキしながらの作業でしたけど。

 

間に合ってよかった!