なるほど!お菓子事典 〜小さな製菓専門学校〜

製菓理論専門家が軽やかに、そして熱く語ります。

得意な物ひとつ

「お菓子屋さんになる為にはいろんなお菓子が作れなければ駄目なのかと思って…」

 

長野からいらしたお客様の第一声がこれ。

 

これからのセカンドライフに向けて起業をお考えの方です。

 

お菓子作るのが好きで、日々お菓子を作っていてなんとかこれを仕事に出来ないかなと…でも

お菓子教室には通っているけど現場経験は無し。

そういうタイプの方です。

 

「普段はどんなお菓子を作っていらっしゃるんですか?」

 

「パウンドケーキとかマドレーヌとかクッキーとか.....そんなに多くないんですけど」

なんか恐縮気味(笑)

 

「うん。やっぱり焼き菓子ですね。うちに来るんだからそっか(笑)」

 

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こんな会話があって話が始まるんですけど

 

「じゃあ、得意なお菓子は何ですか?」

 

「得意というか.......作っていて評判がとても良いのが

......ビスコッティなんです.......」

またまた恐縮気味(笑)

 

「ほー!ビスコッティ!いいですね(笑)」

 

話進めていくと、大抵でてくるんですよね

何か1つは。

作ってて評判が'特に'いいっていう物が。

 

以前にも同様に焼き菓子屋さんをやりたいと言ってうちに訪ねていらした方は

話してて結局、

自宅の木から採れた柑橘系の実(何の実か忘れちゃったんですけど(恥))

の果汁を使って作ったプリンが評判良くて。と、おっしゃって

.....じゃあそっちじゃんっ!!!!(笑)

 

皆さん自分が作る物に対してまだ確信が持てないんでしょうね。

スタート地点に立とうとしているところだから。

でも、きっかけはやっぱりどなたかに召し上がっていただいて

喜んでもらった経験があるからなんです。

だから

できるかなと思ったわけで......。

 

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だから、そのアイテムをより深く掘り下げていけばいいと思います。

 

柑橘系のプリンしかり...

 

ビスコッティしかり...

 

これからのセカンドライフをより充実させようと起業をお考えなら

アイテムは1つで充分じゃないですか?

 

というかそれだけでいっぱいいっぱいになると思います(笑)

 

また商品開発から始めるわけだし。

一応レシピはあるもののこれからは商品として製造して行くわけですから

製造量は格段に増えるし、そうなると生地状態の見極めも焼きも変わって来ます。

ちょっと'差し上げるお菓子'を作るんじゃ無くて

これからは'売る、売れるお菓子'を作って行かねばなりませんから。

ここ気合いいれないとっ!(笑)

 

それと

ワンアイテムの方がコストの面でも断然やりやすいです。

材料の仕入れも明確だし

包材も1つの物を大量に発注出来ますから

管理もしやすい。

 

 

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 商品をしっかり安定して作り続ることって

とても難しくそして絶対必要な事です。

だから

ひとつから始めるべきかと思います。

 

実はベースのアイテムが出来上がれば商品のフレーバーを増やせば

アイテムも増えるんですよね(笑)

 

喜んでいただけたもの、得意な物がひとつあれば

今はお菓子屋さんにもなれる時代です。

頑張りましょ!