焼き菓子店 ボンボンシエルの「製菓理論」講座

自分のオリジナルお菓子ブランドをつくりたい、第2の人生にお菓子屋さんをやりたい、というお客様の声を受けて、プロのスキルとして必須である「製菓理論」をわかりやすくまとめました。お菓子の味を安定させる技をぜひ習得してみてください!

工房のサイズ感

工房を立ち上げ準備中の方から

質問が。。。

 

以下は私と彼女のやりとり....


「この間、見せて頂いた、工房の冷凍冷蔵庫のコールドテーブルのサイズを教えて頂けませんか?
うちで、置けるのが120センチ幅しか置けなくて(汗)
奥行きを60センチか75センチにするかで悩んでるところなんです。」

 

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「900×600です。このサイズちょっと中途半端なんですけどね。うちはこれしかダメだったので。1200あればいいと思いますよ(^_^)」

 

「幅90ですか?
もっと大きく見えましたが。冷凍と冷蔵両方ついてましたよね?

奥行きが60か75で迷っていて。
作業台も兼ねるので、60でも生地伸ばしたりするのにさほど問題ないですか?」

 

「製造の量にもよるのでなんとも言えませんが。工房内で1200×750取れるのであればその方がいいと思います。うちはもう他に全く選択肢が無かったので。」

 

「有難うございます。やっぱり大きいほうがいいですかねー。

かなりの圧迫感になりそうで笑
検討します。」

 

(彼女はタルトを中心にしたお菓子屋さんを起業予定です)

 

「タルトは何センチのものを主流にするのですか?」

 

「タルトは、20センチのカットと、8センチの丸型をモノによって変えようと思っています。冷凍、冷蔵庫だとセンターに仕切りが入るので、思ったより庫内は狭いですよね。」

 

「はい。おっしゃる通りです」

 

「ちなみに奥行き600だと、20cmのタルトを敷き込んで前に置いとく……みたいなことは出来ないと思ってたほうがいいかと思います。」

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「そうなんですね。
私はできれば、タルトの型に生地を敷き込んで冷凍したいと思っているのですが、それだと60じゃ厳しいということですね。」

 

「はい。厳しいです。」

 

「余裕があれば別途、冷凍庫が欲しいくらいですね。卸しとか視野に入れているならそれも検討されてもいいかもしれないです。量産するには冷蔵庫より冷凍庫の方が必要だから」

 

「そうですね。
やってみて、間に合わないようであれば冷蔵庫型の冷凍庫を検討したいと思っています。」

 

 

工房をどう作るかはその人の作るものや環境で全く違ってくるとは思います。

我がボンボンシエルの工房は家庭用の台所を工房にしたので

コールドテーブル(作業台と冷蔵冷凍機能をもつ冷機器)のサイズも選ぶ余地がまったくありませんでした。

だから狭いも何もここで作業をするしかない状況です。

サイズで悩めるなんて実はかなり羨ましい(笑)

 

ちなみに900×600の作業台で私が製造している量を簡単にお伝えすると....

シフォン例ですが

21cm型が2台いっぺんに仕込むのがギリギリかな。

21cmの型が2台作業台にのって

生地合わせようの30cmくらいのボールがのります

30cmのボールを動かして生地合わせをするスペースがギリギリとれて

それを持ち上げ型それぞれに生地を充塡する。

空いたボールは作業台の上には置いておけないのでそのままシンクへ

(型に入った生地を整えるためにスペースが必要になるため)

 

クッキーディアマンの例だと

一回戦600gの薄力粉の仕込みが限界かな

だいたいこれでアイスボックスの棒状のものが4本出来て

それを作業台上で転がして成形するスペース。

成形したものを冷凍庫で固めるわけで、冷凍庫のスペースを考慮してもこうなります。

うちは今現在クッキーの種類が約6種類だからそれぞれを冷凍する為にある程度の

スペースが必要ですから。

 

イメージ伝わりますかね(笑)

なので

私の仕込み、及び焼成はかなり小刻みなんです。

言い換えれば作業効率が悪い(笑)

普通のパティスリーのようには仕込みも焼成もできないんです。

でも私自身自分ひとりでやろうとしてる段階から

パティスリーと同じにするつもりもなかったです。

だってできないもん(笑笑笑)

でも...

 

彼女が検討している1200×75のコールドテーブルもそんなに大きいタイプではないと思います。彼女は圧迫感を気にしていたけれど。私はスペースが許すならそのくらいのサイズ感はひとり営業でかなり使い勝手がいいだろうなと思います。私よりも確実に仕込み量が取りやすいはずだから。

 

あと、私がこの狭い工房でもあまりストレス無く作業できているのは

機材の容量バランスがとれているからかもしれないです。

どういうことかというと

結局シフォンにしてもディアマンにしてもミキサー使って、オーブン使って

ってするわけですけど。うちの卓上ミキサーは21cmシフォン2台分のメレンゲを立てるのがギリギリの容量だし、クッキーの仕込みも600gの粉を回すのが一番やりやすいんです。

窯にしても21cmのシフォン2台で焼成かけるのがいい感じに火通りしてくれるし...クッキーも6取りの天板1枚に1種類分のクッキーがのる。

 

作業の容量と機材それぞれのバランスが気持ちよくとれてる(笑)まあ仕込み量の調整でそう持っていってるというのもありますけど。。。

でもミキサーの容量が大きすぎてもかえってやりづらいですしね。

大ききゃいいってものでも無いでしょう?

 

何を

どれくらい

どうつくる

全体の機材のバランスも考慮されると良いと思います。