なるほど!お菓子事典 〜小さな製菓専門学校〜

製菓理論専門家が軽やかに、そして熱く語ります。

旬の生姜と生地のバランス

出来上がった
生姜のコンフィを混ぜ込んだ
カトルカール焼きました。

自分でも本当に感じていますが

私はどんだけカトルカールが好きなんでしょう?(笑笑)

何か作ろうと考えると

やっぱりカトルかぁ…って(笑)

お菓子って他にもいろいろあるのにねぇ

………

 

少々お付き合いください…
 

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'手のひら厨人産'の生姜は
力強いので、
いいバランスで生地に混ぜ込みたかった…

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生地の総重量に対して
約5%くらいでしょうか…


総重量が400g
だとしたら
コンフィは20gくらいです。
それを細かく刻んで加えます。
主張し過ぎず
でも
きちんと生姜は香る
そんな感じのバランス(^。^)
いい感じにあがりました!


私は普段…カトルカールに何か混ぜ込むのは
最大30%くらいまでだな
ってなんとなく決めていますが
今回はそれよりかなり少な目…

生姜好きとしては
たっぷり入れたいところですが
生姜ってちょっと人選びますよね?
好きな人はとっても好き❤︎(私(笑))
でも
あまり主張し過ぎると
生姜が強くなり過ぎちゃって
ちょっと苦手…なんて方も…


カトルカールの生地感も
楽しんでもらいたいし
だからといってまったく生姜を感じなければ
生姜のカトルカールとは言えないし…
そんな風に考えて
今回割り出した配合のパーセント。

 

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でもこれ、作った生姜のコンフィが
本当にいい感じに上がって
たくさん入れなくてもしっかり
香ってくれてるのでこの配合でいけた!
という事もあります。


今日来ていた
生徒さんとも話していたのですけれど


'やっぱりもともとの素材がいいと
加工して出来上がったものも
いい感じにあがる'
という事。

 

イチゴジャムも
いちばん旬のものを使って作ると
特別な事をしなくても
普通にとろみ
(製菓理論的に言うと'ゲル化')がついて
美味しいジャムが出来上がります。
まだ若いイチゴだと
ちょっととろみの状態が作られにくいし
逆の熟れすぎてる状態でも同じ事が言えます。

これ、

含まれるペクチンの質が未熟、成熟、完熟って

果物や野菜の熟す状態で変化する為です。

 


ただただ糖度を上げていきながら漬け込む
というなんてことない作業を繰り返しただけで
こんなに美味しいコンフィができたのも
手のひら厨人産の生姜それも
今が旬の収穫したての物を使ったという事が
大きかったと思います。


ちなみにですが
このカトルカールには
生姜のコンフィだけで無く
生姜とも相性がいいレモンの皮
そして
バニラも香り付けとして配合しています。
レモン皮やバニラは
通常の配合としてだいたい使う物ですが
もし
もっと生姜の量を加えるとしていたら
入れなかったと思います。
この香り、この量だからあえて入れました(^_^)


バランスって大事ですよね。