なるほど!お菓子事典 〜小さな製菓専門学校〜

製菓理論専門家が軽やかに、そして熱く語ります。

シフォンの音を聞こう

2日に渡って

シフォンを掘り下げる

'冬の特別授業'

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焼き上げるのは

全部で20cm型を3台

今回は水分量を変化させていきます。

基本配合の

半分

そして

1.5倍

 

卵黄生地の混ぜ易さや

粘りの状態その違いをしっかり確認

ておく。

同時にメレンゲの状態もそれぞれチェックしつつ進めます。

今回は卓上ミキサーを使って立ててもみました。卓上初という事でしたので、使い方から

…メレンゲの立ちのスピードも違いますね〜。

1日目は焼きに徹して

一台を釜入れしたら

次の一台の仕込みスタート

忙しい〜(笑)

 

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途中でちょっと休憩…

温めたスコーンとクロテッドクリームとジャムを2種…

メニューはそこそこいい感じですが

「網で出すってね。バットよりは良いかと…素敵なお菓子教室とかだとちゃんとテーブルコーディネイトとかして素敵なんだけど…すんませんね…」

「笑笑。焼き立てって感じでいいですぅ」

 

 

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とりあえず1日目はここまで

焼き上がりの表面の弾力をみたりして

このまま冷蔵庫で一晩。

………………

 

2日目

「じゃ、生地の音、聞いてみましょうか」

「……へ?!音?」

「(笑)うん。ちょっと触りながら押してみると'シュワッシャワッ'って音しませんか?」

↓音を聞いている図(笑笑)

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「おお!これか!」

「(笑笑)だからどうって訳でも無いんですけどね。生地に入っている水分量が違うとこのシャワッて音も違うように聞こえる…

シフォンの声♫ってヤツ?ですわ(笑笑)」

「笑笑笑でもなんか違う気がする〜」

 

手外し。

しっかり休ませていると

手外しもあまり怖がらないで出来ますね。

彼女は初めての手外し…

「ふぉお〜!この触感もそれぞれ違うぅ〜」f:id:bonbonciel1013:20191229171205j:image

画像だとあまり違いが伝わり難いですけれど

かなり違います。

カットしたらすぐ容器に入れます。

乾燥しないように…

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20cm3台分だとかなりの量です(笑)

今日は大きな袋(IKEAレベル?)を持って来てくださいとお伝えしておきました。

帰りは行商人ぽくなってた(笑)

 

で、試食検証

今日は昨日よりもっと酷くて

バット(笑笑)
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そしてラップ(笑笑笑)
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食べ比べていくと

水分量の違いだけで生地感の違い

甘味の違いまで感じる事ができました。

これは、

水分が多いからとか少ないからとかでのダメとか良いとかいう事ではなくて、自分の生地感を見つける指標にするのが目的。

例えばシフォンそのものを食べてもらうタイプのものもあれば、皿盛りで提供するものもあるし、その時にふわりと立てたシャンティ(砂糖入りの立てた生クリーム)を添えるのか、アイスクリームを添えるのかでもシフォンの生地感は違ってくるだろうし、フルーツ添えるのと、ナッツやチョコレートクリーム添えるのでも相性が違ってくる。

そこまで考えながら作っていくと自分のオリジナルも作りやすくなりますよね。

 

終始笑いながらの2日間でしたけれど

そうは言っても

おさえるところはおさえています。

今回彼女は

シフォンというより

別立て生地、そして、オイルを使ったお菓子の

バリエーションについて知りたい事がたくさんあった訳で…

水分量の違い。水分量が違うという事は他の材料とのバランスも違ってくる訳で、水分が少ないという事は粉気が多くなって卵黄生地自体が重くなります。それは逆も言えます。

自分の卵黄生地感覚をつかめればそれをベースにいろんなバリエーションも広がる筈。

そんな所もお伝えできたかな。

 

たくさんシフォンが出来たので

年末年始、親戚みんなでたのしみます

との事。

シフォンを囲んでのお正月。

♫シフォン音当てゲーーーームっ!!

これは水分何gっ???♫

かなりマニアック(笑笑笑)