なるほど!お菓子事典 〜小さな製菓専門学校〜

製菓理論専門家が軽やかに、そして熱く語ります。

生地の基本構成とプラスアルファ

「先生、あのさ…

シフォンでね、例えば紅茶とか

抹茶とかチョコとかなんでもいいんだけど

'濃く'感じるようにしたいのよ…」

 

かおりや風味を強く感じさせたいって

ほんとによく皆さんに言われる

事なんですけど…

 

あー

それと'色'かなぁ

 

「ラズベリーのピューレとか

生地に入れたら

綺麗なはっきりしたピンクとかになるの?」

 

とか…。

 

「着色料使えばなりますよ」

 

というのは答えでは無いんですね。

絶対、皆さん使いたく無いから(笑)

 

ひと昔前に比べれば

お菓子の'色' 本当に

綺麗に出るようになってます。

 

マカロンにしても

アイシングクッキーにしても

ショコラだってかなりカラフル

レインボーチーズケーキだって大人気!

色遣いに関して言えば

みんなカラフルな食べ物が大好きみたい。

でも

あれは着色してますね(笑)

何でやってるのか

まではわかりませんけど。

今は本当にいろいろあるから。

 

 

自然の色をそのまま

焼き上げて色に残すのは

できるものと出来ないものかあるし

イメージ通りいかない事の方が多いのも事実。

焼き物は特に。。。

 

例えば

以前作った'ビーツ'のシフォンなんかもそう

ピューレ加えて出来上がった生地は

それはそれは綺麗なピンク。

 

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亀裂の部分だけ見たら

「お!これはっ!」

って期待込めてカットしたものの

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中は黄色みがかった茶色(笑)

普通……。

味も遠ーーーーーくに

なんとなくビーツ?

 

シフォンはスポンジ生地の中でも

水分量が配合的に多いので

バリエーションをとてもつけやすい生地。

だから皆さんいろいろやりたくなる

気持ちすごくわかります。

 

でも

生地を構成している中心の材料は

卵と

砂糖と

粉と

油脂

この基本構成があってのプラスなのでね。

 

味を濃くしたい

色を出したい

なかなか

思い通りにはいかない物なのです。

 

味を濃くするのも

例えばチョコレートの味を

濃くしたいからっと大量にチョコレートを

加えてしまったら基本構成が崩れて

もはやシフォンじゃ無くなってしまうし

どちらかというと

ガトーショコラ?(笑)

 

自然に色を出したいと

ピューレを加えたとしても

基本構成の生地の色もあるし

その他の材料の反応もあるしで

結局茶色……?

 

自分のオリジナルを作りたい

というのは

どこまで基本構成を崩さずに

プラスアルファが出来るかを

探す事でもあると思います。

 

だから着色料だったり

香料だったり

基本構成を崩さないアイテムが

あるわけなんですけどね。。。

みなさんそれを使わずに

なんとかしたいと思うわけなので

時間がかかります。

でも

そのプラスアルファを探すのを

たのしんでもいるので…

それはそれで。

 

ほんとにお菓子は奥深い…。