「卵は熱を加えると固まるんだよ
それを利用してプリンはできるんだよ」
なんていう話をしていますが.......
鶏卵の熱凝固性
この
鶏卵の熱凝固性(難しい言い方)は実は部位によって
固まる温度も固まり方も違うんですよね。
プリンにいろいろな食感が生まれるのもこの特性のおかげです。
部位によるとは
つまり
'卵黄'と'卵白'
基本配合の全卵の部分を
それぞれ卵黄、卵白に置き換えてプリンを焼くと......
<プリン基本配合>
全卵:牛乳:砂糖=1:2.5:0.5
つまり
卵黄が一個20gと考えた場合の配合
全卵 20g
牛乳 50g(20×2.5)
砂糖 10g(60×0.5)
これに
バニラ 適宜
卵白が一個40gと考えた場合
卵白 40g
牛乳 100g(40×2.5)
砂糖 20g(40×0.5)
これに
バニラ 適宜
焼いてみると見事に(笑)
黄色いプリンと白いプリンが出来ます。
同時に窯入れしましたが
黄色いプリン(卵黄のみのプリン)の方が早く火が入り先に窯から出しました。
白いプリン(卵白のみのプリン)はそのあと15分は入ったかなぁ.....
温度の話
これは....
温度の話をすると
卵黄は65℃から70℃の熱で完全に固まりますが
卵白は70℃の熱でほぼ固まるんですけど完全に固めるには80℃以上の熱が必要となるからなんです。
ですから、卵白プリンを窯から出す際には
「何となく固まってるとは思うけどもうちょっと入れよ...」
みたいな感じになります(笑)
ひっくり返して型から外してみます。
こちらは黄色い卵黄プリン。
型離れが悪い感じわかりますか?
私がヘタクソと思っていただいてもいいんですけど(笑)......
こちらが白い卵白プリン
型からプルンと外れています。
これで私がそんなに下手ではないと......(笑)
固まり方の違い
卵黄と卵白。
'固まり方が違う'
という事なんです。
卵黄はどろっと、卵白はぷるんと。
半分にカットしてみると....
黄色い卵黄プリンは自立出来なくなってしまいました。
白い卵白プリンはゼリー状にしっかりしています。
カットできますね。
凝固の状態と提供の仕方
この凝固の状態(固まっている状態)の違いは食感の違いにつながると言う事。
そして提供の仕方にも関わってきます。
例えば
卵黄の配合を多く、または卵黄のみで作ったプリンの場合は
ひっくり返せない訳ですからカップに入れたままの提供になりますよね。
実際ひっくり返せないプリンは'ポ・ド・クレム'(壷に入ったクリーム)とよばれていたりもします。ソースを上からかける様にしてもいい。
全卵、もしくは卵白を多く配合した場合は
ひっくり返してア・ラ・モードにしたり、または大きく焼いて切り分けて提供することもできますよね。
卵黄と卵白それぞれの特性を活かして作って見るのもたのしいかと思います。
ちなみに
黄色い卵黄プリンのお味は濃厚で、うーん....
クレーム・ブリュレのような感じ?
白い卵白プリンは食感はプリン感がない訳ではないです(笑)
いつもの'普通のプリン'を食べ慣れていて、それが大好きと言ってくれて
我がボンボン・シエルのご意見番とも言えるうちのお嬢さん曰く...
「何?これっ!?ただの卵白にカラメルソースかけただけじゃんっ!(怒)」
(笑)
確かに全然間違ってないけどね。