なるほど!お菓子事典 〜小さな製菓専門学校〜

製菓理論専門家が軽やかに、そして熱く語ります。

野菜とお菓子

無農薬で野菜を作っている'手のひら厨人'さんのバターナッツカボチャという野菜が手に入ったのでお菓子に使ってみる事に。

野菜とお菓子の組み合わせ。秋になると増えてきますね。

私は

「あーモンブランが食べたいなぁ.....」としみじみ感じると

「秋だなぁ」と実感します。

ま、栗は製菓理論的に分類するとナッツ類なんですけれど(笑)

 

初めての野菜

バターナッツカボチャには初めてお目にかかるので

先ずはどんなカボチャなのか調べてみます。今ってどんどん新しい品種が市場に出て来て初めましての野菜も珍しくないですね。

バターナッツ・スカッシュ<かぼちゃの品種:旬の野菜百科

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どうやらポタージュがオススメのようなので、ピューレにしようかとも思いました。

でも

とりあえず皮のまま蒸す事約1時間。

蒸す為の道具

蒸し器は工房に無いので鍋に水をはりストレーナー(取って付きザル)を重ねて代用。

狭い工房ですので代用出来る物は何でも代用。でもこれ、狭くなくても今迄居た現場では大抵こうやって使ってました。ストレーナー以外だと粉ふるい。

私はストレーナーを粉ふるいとして使ってます。こし器として使うこともあります。

1つあると便利な器具のひとつ。

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粉ふるいご家庭だとこのタイプかな

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でも現場ではこのタイプの粉ふるいはほとんど見た事ないですね。

代用出来ないからかな?

慣れていないせいか...私にはちと使いにくいです。

 

お菓子によく使う野菜として今回のカボチャやさつまいもなんかがありますけど大抵'蒸して使う'ことが多いですね。

 

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このカボチャ色も味も濃い気がします。さすが'手のひら'で作ってるだけあります。

皮付きで使えるかと思ったけれど食べてみたらちょっと口に残るな....。

分割の量

というわけで皮は剥いて約150gで分割

ラップでくるんで冷凍保存しておきます。

ここまでがお料理でいうところの下処理です。

食べてみたら結構しっかりしていたし、やっぱりそのままのカボチャの味を感じてもらいたいのでピューレにはせずに使う事にしました。

 

150gで分割した理由は

全卵2個くらいでお菓子を作るときにだいたいバランスが良い量だと思ったからです。

全卵2個...L玉が1個約60gとしたら2個で120g

それを基本に4同割りで生地を作るとしたら砂糖、粉、油脂と合わせて420gになるので、それに対してカボチャ150gは30%をちょっと超えるくらいの量。

個人的に生地の中に何か入れるときのバランスは30%くらいが好きなので多からず少なからずの感じで作ります。

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 1.2kgのを下処理すると約150gの分割が4セット。

マフィンにする

カボチャのお菓子として王道かな?

今回はマフィンに混ぜ込む事にしました。

水分が多いけれどしっかりとしたカボチャなので

大きめ2cmくらいの角切りにして使用。

合わせる生地のイメージは

  • カボチャのしっかりとした食感を感じてもらう為にちょっと軽めにしよう。
  • やっぱりカボチャにスパイスは相性がいいので少し配合に加えよう。
  • 甘みもちょっぴりくせのある感じが合いそう。

生地のイメージからの落とし込み

この辺りのイメージで配合を考えると

軽めの生地

  1. 油脂を軽いオイルに。
  2. 少し風味も加えたいので半量をバターに。
  3. 製法はメレンゲを使う別立て法に。
  4. ふわっと感を出したい理由でベーキングパウダーを添加。

スパイス

  1. 今回はオールスパイスを使用。カボチャの風味を助ける役割で使いたいのでほんの少量。

甘み

  1. きび砂糖を使用。無農薬野菜と合わせるので粗糖のほうが、イメージ的にも合う。

基本からの配合

(全卵L玉 卵黄1個20g、卵白1個40gと考えた場合)

卵黄       40g

砂糖       50g

無塩バター    60g

オイル      60g

卵白       80g

砂糖       70g

薄力粉      120g

ベーキングパウダー2g

オールスパイス  1g

塩ひとつまみ

蒸かしカボチャ  150g

 

生地の作り方はこちらを参考に。 

www.bonbonciel.work

 

かぼちゃは生地を充塡してから上にのせます。

見えるように。

だいたい沈んでしまいますけれどチラッとみえるくらいがかわいいですよね。(笑) 

 

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ちょっと試食してもらったら

蒸かしたカボチャだけでも美味しかったけど

マフィンにした方がもっと美味しく感じると.....。

これは嬉しい反応でした。

しっかりカボチャを活かせた証拠です。

 

作り手の'手のひら厨人'さんにも食べてみてもらいたいなぁ。

 

美味しい野菜が手に入ったらお菓子にも利用してみてください。