雨の中来てくれた彼は、
実はお店の立ち上げの準備の為に以前体験に来てくれたのですが
今回は
そう!!!
お店の商品を持って登場です!
中目黒『beika bake』
ラズベリージャム
パイナップル
中目黒の'beika bake'さんです。
まだ、立ち上げて1ヶ月弱なのでホームページ等は無いそうなので
追ってご紹介したいです。
彼はお店を立ち上げる事を勤めている会社から全面的にまかされて
商品開発から始めたわけなのです。
お菓子については僕は素人なのでと以前うちにやってきて、実は
完全に玄人相手の会話が出来てめちゃくちゃ楽しかったので、その後どうしたかなとふと考えたりしてました。
その時の様子はこちら
ぶれないコンセプト
彼がつくり出したお菓子は
「持って歩きながら食べられるようなカジュアルなもので
そして
ビクトリアンケーキのようにジャムをサンドして提供したい」
というコンセプトのもと、以前うちに来た時からぶれる事無く進められたようです。
ちなみにビクトリアンケーキとは
ビクトリア・サンドウィッチ:イギリスのヴィクトリア女王が好んだ菓子。ビクトリア・サンドウィッチ・ケイクとも言う。女王が後半生に長く過ごしたワイト島の宮殿においてティータイムの時に好んでパウンドケーキにジャムを挟んで食べたことからこの名が付けられた。
(洋菓子百科辞典より)
アミロース20%を探す旅
以前のコンセプトとぶれる事無く進められていた商品開発だったのですが
私が聞いていなかった事がひとつ。
それが
'米粉'
「実はこれ、米粉でして」
「ん???米粉?」
「そうなんです。会社の意向もあって米粉を使う事になって。」
「ほー......」
実は彼はクラシカルな洋菓子にも精通していたし、米粉の用な比較的新しい材料を使う事は考えていなかったと思っていたのだけれど、やはり会社の意向は取り入れないといけなかったんでしょう。
でもそのあとの彼の放った一言がすごかった(笑)
「だから、米粉でもアミロースの含有量がなるべく小麦に近いものは無いかと探しまして(照)」
でた〜〜!!アミロースときたっ!!
これなんですよね〜
彼のすごいところは(笑)
「あはははっ!!」(あまりにも彼らしくて大笑いしました)
「そしたらあったんです。旭川に」
「北海道の?」
「はい。だから僕会社に自腹切って行くので行かせてくださいと頼んで休みもらって行ってきました」
ちなみにアミロースとはでん粉に含まれるぶどう糖がつながったものなのですが、もうひとつアミロペクチンというつながり方の違うものもあってこの2つの含まれる量でいろいろなでん粉の種類に分かれるのです。
小麦粉のアミロースの含まれる量が約24%とされています。
粳米(うるち米)つまりお米のアミロースの含まれる量が約17%とされているので
彼はアミロースが20%に近い米粉を探したんですね。
そして見つけた。旭川に。
で、使っている米粉がそこの米粉です。
初めての米粉のお菓子
米粉を使ったお菓子、私も何度も食べています。正直、私は洋菓子を食べ慣れているタイプつまり小麦粉のお菓子ですね。だから米粉の商品はどこか'お米感'というのを感じてほんの少し違和感を感じてしまう事が多かったのですが
この'beika bake'さんの生地はそのお米感を感じることなく食べる事が出来た初めての米粉のお菓子でした。
彼が目指していたのもまさにこの感じなのだと思います。
「米粉でここまでジェノワーズに近づけるの大変だったでしょ?グルテン無いから」
「あー!!わかってもらえてうれしいです!本当にそうなんですよ」
このあと作る工程の話が延々続く(笑)
この辺りの苦労話はお客さんには全く関係ない話なんですけどね。
作り手の私達には自慢話みたいなもんです(笑)
頑張ったなぁ彼。
彼のこだわりはサンドするジャムにももちろん落とし込まれていて
「これはアナナスバニラなんですけど。あ、でも表記はパイナップルにしてます(笑)」
「アナナス・バニラね。はいはい(笑)」ちょいちょいフランス語表記入れてきます。
「僕は素人なので」とはもう言えませんねぇもう立派に同業者ですから
それに、
「僕、米粉でほんといろいろやって気がついたんですけど、米粉っていくら混ぜても大丈夫だから(小麦粉より粘りがでない為)返ってお菓子作りに慣れてない人も作りやすいかも知れないって.....」
なんてな事も言ってました(笑)
何もかものこだわりが満載のお菓子をぜひおためしあれ!
そして
会社員でもありますが、彼も'ひとり営業'を頑張ってるひとりでもあるのです。