なるほど!お菓子事典 〜小さな製菓専門学校〜

製菓理論専門家が軽やかに、そして熱く語ります。

ガナッシュのすすめ

やっと涼しくなってチョコレートを扱うのも躊躇せず出来るようになってきました。

っと言いたいところですが、昨日今日の東京の気温は

秋の気候とは言い難く、昨日何ぞは再びクーラーのお世話に。

もう10月ですよーっと空に向かって叫びたいぐらいです(笑)

 

さて、それでもお話はチョコレートの話。

 

お菓子を作るのに生クリーム買ったけど余っちゃって....

 

きっちり材料を使い切る為に

余った生クリームでガナッシュ作っておくの、おすすめです。

 

ガナッシュの配合

 

生クリーム:チョコレート

1:1

 

つまり同じ量で。

 

 ガナッシュ

チョコレートをベースに生クリームと混ぜ合わせたもので、生クリームの一部、またはすべてを牛乳、卵黄、洋酒などに置き換えることで味に変化をつけたり、風味を持たせることが出来る。

基本配合

チョコレート:生クリーム=2:1〜1:1(スイートチョコ)

            =3:1〜5:2(ミルク、ホワイト)

  1. 生クリームを軽く沸騰させる
  2. チョコレートに1を加え、空気を含ませないようによく乳化させる
  3. 20℃前後の室内で一晩安定させる

 

(製菓衛生師全書 日本菓子教育センター より)

 

教科書では簡単に説明されてますけど(笑)

'よく乳化させる'

またもやでてきました

「乳化」

ガナッシュはココアバター(固形脂)と液体を乳化させて作る物のひとつ。

単純に生クリームにチョコ溶かしたものでは無いんです。

 

'乳化'にポイントをあててガナッシュ作りを紹介してみますね。

 先ずはチョコレートを用意します。

もし、冷蔵保存されている方は必ず常温にしておきましょう。

チョコレートは温度を気にしながら扱う材料です。

それと、これから'乳化させる作業'をするわけですから冷たいチョコレートに熱い生クリームを加えるのと、

常温に戻したチョコレートに加えるのでは乳化のスタートに違いが出てきますよね?

どちらがスムーズなのかを考えれば常温に戻す事は必須ですよね。

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湧かした生クリームを注ぎ入れます。

生クリームは鍋の真ん中まで温度があがるのを確認してください。

鍋のふちあたりがぷくぷくして来た後、真ん中のクリームが揺れてくるくらいまで。

注ぎ入れたあとすぐには混ぜ合わせない。

チョコレート全体に生クリームの温度が伝わるのを待ちます。

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中心部分から'ゆっくり'と混ぜ合わせます。

真ん中から少しづつ周りのチョコレートと同化させていく感じです。

核を作って結晶化していくイメージ(ちょっと難しいかな(笑)でもこれチョコレートのテンパリングでも使います)

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全体が乳化した状態。

でもここではちゃんと乳化しているか確認が取りにくいです。

まだ、固まってきていないので。

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しばらくそのままにしておくと

艶よく固まってきました。

'乳化'ができてるという事ですね。

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生チョコレートを作ろうとしたり、ボンボンショコラを作ろうとしてけれど

いつまでたっても加工できない、つまり固めてカットしたり、丸めたりできなかった経験ありませんか?

冷蔵庫でなんとか固めて作業するけどしばらくするとまた溶けてきちゃう......

それは'乳化'がちょっとうまくいかなかったということです。

 

丁寧にやればガナッシュをつくる事はさほど難しい作業ではありません。

 

ポイントは'急がない'こと。

 

上記した教科書のレシピにも

 

3. 20℃前後の室内で一晩安定させる

 

なんて書いてあります(笑)

チョコレートってバターと同じく'結晶体'でできているものなんですよね。

結晶ってなんでもそうですけど'時間をかけて'作り上がっていくものじゃないですか。

だからゆっくり丁寧に扱って上げたらうまくいきます。

 

作ったガナッシュは小分けにして冷凍保存も可能です。

チョコレートのお菓子を作る時に利用したり

牛乳と温めてリッチにショコラショー(チョコレートドリンク)なんかも出来ますよ。

 

夜は少し気温も落ち着くので

秋の夜長にじっくりとガナッシュ作り、おすすめです。