なるほど!お菓子事典 〜小さな製菓専門学校〜

製菓理論専門家が軽やかに、そして熱く語ります。

スコーンのレシピ

我がボンボンシエルの主力商品であるスコーン......

最近、ベーキングパウダーを変更したりして

改めてスコーンを見直す機会が出来てます。

 

 

ワニの口

 

https://www.instagram.com/p/BZiM4mlHx-S/

 

スコットランドのバースのスコーン城にある国王の載冠式に使われる土台の石をThe stone of destiny(運命の石)、またはThe stone of sconeと呼び、名称はそれに由来すると言う。よってスコーンは丸い石の形に作られ、また聖なる石ゆえ、ナイフを使って縦に切るのではなく、手で横に割って食べる事がマナーとされている。そしてこれは横に割りやすいように2段に割れて焼き上げることを良しとし、その割れ目はギザギザであるため、ワニの口とも称される。

 (洋菓子百科辞典より)

洋菓子百科事典

洋菓子百科事典

 

 私のバイブルでもある辞典を見るとスコーンの基本配合とリッチな生地と称して他2つの配合が載っていました。

 

作ってみなければ!

 

辞典の配合はかなり量が多いので作りやすい分量にちょっと直しました。

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スコーン基本配合 

 

<基本配合> 全卵が入らないタイプ

小麦粉       180g

ベーキングパウダー 10g

無塩バター     25g

砂糖        25g

牛乳        120g

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スコーン リッチな配合その1

 

<リッチな配合1> 全卵が多いタイプ

小麦粉       180g

ベーキングパウダー 10g

無塩バター     28g

砂糖        28g

全卵        34g

牛乳        86g

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スコーン リッチな配合その2

 

<リッチな配合2> バターが多いタイプ

小麦粉       180g

ベーキングパウダー 10g

無塩バター     46g

砂糖        40g

全卵        12g

牛乳        108g

 

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1 小麦粉、ベーキングパウダーを一緒にふるい、砂糖を混ぜる

2 1に刻んだバターをいれすり混ぜる

*フードプロセッサーをお持ちの方は1、2はプロセッサーで出来ます。

3 牛乳(全卵)を加えまとめ上げる

4 まとめた生地を分割して丸めるか、延ばして型で抜く

*配合からもわかりますが、この生地は水分が多めの配合です。

 丸める際や延ばし、型抜きには打ち粉が別途必要になります。

 

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スコーンのレシピは数知れず

 

スコーンレシピ、本当にいろいろありますよね。

今回のレシピは辞典に載っていた物を少し作りやすい量に調整をしたのですが、

辞典のレシピには実は'ナツメグ'も少々と記載がありました。

今回は生地そのものの風味も知りたかったので入れずに配合取ってみました。

このレシピ、焼き上がりかなりふわっとした食感です。

水分量も多めですし、ベーキングパウダーの量も粉に対してかなり多め。

製菓理論的にベーキングパウダー使用量の目安は

小麦粉の1〜1.5%とありますから約10倍近く入ってる事になります。

でもあくまでも教科書の'目安'なので10倍入れてはいけないわけではありません。

ここまでいれないとこのふわっと軽い柔らかい食感が出ないということです。

あ、入れすぎても生地だれちゃいますから限界はもちろんあります(笑)

 

辞典のスコーンの項目の冒頭には

「小型のやわらかいパンの一種」とあります。

このレシピはここを目指したということです。

実際食べるとまさに小型のやわらかいパンという表現がぴったり!!

さすがだわっ!! 

 

たくさんのレシピの中から自分の好みのレシピを作り出すのもたのしいですよね。

私はもう少し食感のしっかりしたタイプが好みなので

この基本レシピをもとに

もう少しスコーンを探っていきたいと思います。