なるほど!お菓子事典 〜小さな製菓専門学校〜

製菓理論専門家が軽やかに、そして熱く語ります。

絞りの感覚と焼き色

今回は少し

'絞り'のお話を。

 

 

不定期ではありますが

絞りに特化したワークショップなども開催しております。

やろうと思った理由が

「絞りクッキーってあんまりやらない」と言う方が

結構いるんだなと感じて...。

クッキーを作る時は大抵アイスボックスタイプか型抜きで。

絞りは生クリームなら何度か....。

そんな感じ。

 

アイスボックスや型抜きより全然手間かかんないんだけどな ....

 

これは、個人的な意見ですが(笑)

まあ、私は絞り袋も口金も日常的にあるひとなので。

絞り袋や口金買う所から始めなければいけないとなると

その方が手間といえば手間ですけどね。。。

 

皆さんかなりハードルが高く感じられているようで、

絞りは難しいと。

 

絞りは難しいと言うより

'感覚と我慢'

なんじゃないかなと思います。

  

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感覚とは

ようは力加減とスピードです。

どういう事かと言うと

ぐーっと力を強く入れて絞るとたくさん生地が口金の先から出て来る訳ですから

素早く口金の先を動かす必要がある訳で

逆に力をあまり力を入れずに絞ると生地は少しずつ出てくる訳ですから

ゆっくり口金の先を動かす。

この力加減とスピードの感覚をつかむことが大事になります。

 

我慢とは

今回のワークショップの中でもお話していたんですけど

口金の'高さ'をズーッとキープしている事も大事なんですね

もしかしたらスピードよりこちらの方が大変かも知れません。

 

つまり天板から口金の先までの距離(高さ)を一定に保ち続けること。

 

天板から口金の先の高さが低ければ生地が薄くなりますし

これが高ければ厚くなります。

絞ってるときに口金の先の高さが、あがったり下がったりすると

生地が薄くなったり厚くなったりする訳ですから焼き上がりに影響も出ますよね。

このあがったり下がったりをしないように

同じ体制でいなきゃいけない、一度決めた体制で'我慢'するんです。

 

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自分の焼き色

 

 今回いろいろな絞りを少しづつしてもらって焼き上げました。

なので、いろんな焼き色のタイプが出来上がりました。

 

焼きが強く入ったもの、白っぽくあがったもの......。

 

ここで、ただ何となく食べるのではなく

自分の気に入った焼き加減はいったいどんな感じなのかを検証して見ると

良いかと思うのです。

 

しっかり焼き上げた物が自分らしいのか。。。

あまめに焼き上げたものなのか。。。

 

それに気づくと俄然自分のお菓子に近づくと思います。

クッキーは焼きの入り方でも食感が違って来ますから

焼きの状態を決めるだけでもオリジナリティが表現出来ます。

 

何となく作るから

意識して作るようになると

それが自分ブランドになっていくとおもいます。