なるほど!お菓子事典 〜小さな製菓専門学校〜

製菓理論専門家が軽やかに、そして熱く語ります。

柑橘類のペクチン液

ペクチンは、果実や野菜類など、あらゆる植物の細胞組織を形成する多糖類で、ジャム、ゼリー、マーマレードは果実に含まれるペクチンを溶出して酸および糖類とともにゲル化させたものである。

(製菓衛生師全書より)

 

というわけで(笑)

今回

いただいた自家栽培のゆずを使って

以前からやってみたかった

ペクチンを溶出し、液状にして

マーマーレードを作ってみました。

 

だいたいジャムを作る時って

果物にお砂糖を振りかけておいて

果物から出てきた水分を使いながら

煮上げるというパターンが多いと思うのです。

普段私もジャムを作る時はそうしてます。

 

ジャムやマーマーレードの作り方も

様々でいろんなやり方があるんだなと

知ったのは

以前生徒さんから紹介された本から…

ペクチン液を作ってゲル化させるやり方を

紹介している書籍だったんですけど。

 

世界でいちばんおいしいコンフィチュールの作り方

世界でいちばんおいしいコンフィチュールの作り方

 

 

おお!やってみたい。

とずっと思っていて、やっと機会が巡ってきた?(笑)

 

簡単にやり方を説明すると

柑橘類の

果皮

果肉

種子

白い部分

果肉を取った部分(ふさとかの部分)

そして果汁

これを先ずは分けてそれぞれ加工し

最後にまた合わせて砂糖と煮詰める

そんな感じ。

 

今回ペクチン液を作るのに使うのは

白い部分

果肉を取った部分(ふさとかの部分)

です。(でも果肉だけを取ろうと思って頑張ってたんですけどちょっと難しかったので、果肉もけっこう入ってしまいました。)

 

紹介してもらった書籍ではなくて(笑)

私が参考にさせてもらったサイトはこちら

マーマレードの作り方(八朔・甘夏・夏みかんなど) - 杜の茶菓菜 (もりのさかな)

文章のみですけど

とても細かく説明してくれてます。

ただ、材料の違いもあるし

煮詰め具合や果肉、果汁の量などが

まったく違ってしまうのでそのあたりは

自分自身の感覚で微調整してます。

 

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柑橘類の場合

どうしても「苦味」というのが

ついてまわりますね。

その苦味を和らげ、コントロールするには

'湯がく'が必須です。

種子を取った後の部分

刻んだ果皮

それぞれ苦味が和らぐまで何度も'湯がき'ました。

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先程ペクチン液を作る為の

白い部分と種子取っただけになってしまった

ふさの部分も一度は湯がきます。

そのあとトロトロになるまで火入れf:id:bonbonciel1013:20191220151612j:image

そしてザルで濾す。出来上がったペクチン液。

イメージではさらさらの液状なのかと思っていましたが、私の水分の感覚が少なかったのか

トロトロでした。既にゲル化してる?

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このペクチン液に最初の果汁、

何度か湯がいて苦味を抜き、柔らかく煮ておいた果皮、それとガーゼに包んだ種子を鍋に入れて砂糖を加えながら煮詰めていくわけですが

ペクチン液自体が既にトロトロなのと果汁も少ししか取れなかったのでこの段階で煮詰めていくにはちょっと濃度がありすぎだなぁと判断。

少し水を加えました。

この辺りは自分のいつもジャムを煮る感覚でやった方が良さそうですね。

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出来上がり。

ゲル化の状態はかなり優しく上がる感じです。

これは'ゆるい'という事では無くて

凝固する感じが優しい凝固(わかりづらい(笑))

もちろん

いつもジャムを作る際にも果物の中のペクチンを使ってゲル化させてはいますけどその時はそれとプラス砂糖による煮詰めもやってる感じ、だから煮詰め過ぎるとカチカチに飴みたいになっちゃう…

でもペクチン液をきちんと作ってからゲル化させるとそのカチカチ感が無さそう(煮詰め過ぎればどちらも固くはなりますが、あくまでもイメージです)'優しい'とはそういった感覚です。

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出来上がったゆずマーマーレードを

試食…

間違いない感じ(笑)

ちょっと手間と時間がかかりますけど

かけただけの事はありました。

たのしいですね〜ペクチンも(笑)