なるほど!お菓子事典 〜小さな製菓専門学校〜

製菓理論専門家が軽やかに、そして熱く語ります。

生地感覚とカボチャのシフォン

カボチャのピューレは

シフォンにも使おうかと。

シフォンもうちのお店では

人気の商品なんです。

普段はアールグレイが一番人気なので

それが定番に近いのですが

やはりこの時期

そして

カボチャペースト仕込んでますので

シフォンにするのも

自然な流れですね。

毎回なんですけれど

いつものシフォンに

今回のピューレのようなものを

入れ込む場合…配合の見直しをしています。

やり方としては

水分量の調整みたいな感じです。

そのあたりの詳しい話は

以前のブログでもご紹介しています。

 

www.bonbonciel.work

そして今回、 ちょっと感覚的な話になってしまって

申し訳ないのですが

私は普段から仕事としてお菓子を日常的に作っているので

生地感の感覚っていうのが

なんとなくわかってしまうんですね。

(本当に'なんとなく'なんですけど)

今回のカボチャのシフォンケーキなんかも

卵黄生地の水分量の感覚...。

わかりやすく言うと

 「これ....

いつも作ってる感じとさらさら感が違うな。

......ちょっと重いな。10gくらい水分足してもいけそうだ」

 

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いつもの生地に近づけることをするんですね。

感覚で。

以前のブログでは計算式を出していますけど

それをなんとなく生地感で割り出していく感じです。

 

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最後の生地のあがり。

ただ、もちろん入っている材料が違う訳なので

全く同じ生地にはなるわけもなく

シフォンケーキの別立て生地の感じになるように調整するイメージです。

でも、あくまでも調整です。

基本の配合というものは必ずあるので、そこから外れてしまえば

他の'何か'になってしまいます。

 

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レシピを考える事って

作りたいお菓子の配合を本当に少しだけ調整する事だと思うんですよね。

だって、シフォンには'シフォンの配合'があって

パウンドケーキには'パウンドケーキの配合'があるのですから

それを大きく崩してしまったら

それはシフォンでは無くなるし、パウンドでも無くなってしまう。

 

私は一応お菓子をいろいろな角度から専門的にやっている人なので

その基本的な生地感覚が普通に身についてしまっているのですけれど

(これは、ただ経験値が高いだけのことです)

この感覚というのは自分だけのものなので

他の人(つまりは生徒さん)に伝えにくいというのが

何とも歯がゆくなる時があります。

感覚は理論で語れないからなぁ。。。

 

自分の生地感覚をつかむためには

「たくさん作ってください」

単純にこんなことしか言えませんが

ただ、作られる際にちょっと感じながらやってみて欲しいのが

シフォンだとしたら

卵黄生地が出来上がったら必ずヘラでもホイッパーでもいいので

自分の手で生地の状態の確認をすること。

粘り、ゆるさ、ふわっと感......

シフォンってメレンゲの方をしっかり見る方は多いと思いますが

もちろんそちらもかなり重要なんですけれど

卵黄生地の状態を安定させるのもポイントだと思います。

自分の生地感覚を捉える事にもつながりますし...

 

お菓子を作る時って出来上がりに向かってまっしぐら!

になりがちですけれどひとつひとつの工程ごとの生地状態を

確認しながら作ってみると良いと思います。