なるほど!お菓子事典 〜小さな製菓専門学校〜

製菓理論専門家が軽やかに、そして熱く語ります。

混ぜと焼き上がり

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ボンボンシエルのレッスンは

同じレシピを繰り返して行う事が多いです。

同じ事を繰り返す事で

もちろん作ることもこなれてくるし

前回、ちょっと思った通りに上がらなかったな…

っていうところもしっかりクリアして

その変化を自分で感じとってもらいます。

それはとても大事な事だし

自分自身でなぜこうなったのかが

わからないままだと作っててもモヤモヤが増える一方ですもんね。

今回は混ぜの状態を変えての焼き上げ検証。

シフォン版。

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最後の生地状態を変えていきます。

つまり

ふわっと混ぜて型に流した物

しっかり混ぜて型に流した物

ちょっと難しい言葉で言うと

'比重を変化させてみる'

という事です。

ようは

生地の中に空気がどれだけ入っているか

という事。

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面白かったですね〜

焼き上がりの感じも全然違います。

で、

なんでこんな事を授業でやってるかというと

自分の混ぜの感覚と焼き上がりの生地状態が

コントロールできるようになるには

この生地のふわっと感だと

焼き上がりの生地はこんな感じ

ってなんとなく想像できる方がいいですよね。

その感覚をつかむ為の指標にしてもらえれば良いなと思います。

それとね…

材料って、けっこうちゃんと頑張ってくれるって事も知って欲しいんです。

今回

これじゃ混ぜすぎかなぁ

ずいぶんサラサラトロトロして来ちゃってるな

ってところまでしっかり混ぜ合わせてもらったんですね。

シフォンって

「メレンゲをしっかり立てましょう」

ってうたわれてるお菓子だから

最後の混ぜの時にそのしっかり立てたメレンゲが死なないように混ぜがちですよね?

(わたしもそうだったし…)それはそれで間違いでは無いのだけれど、今回のようにけっこうメレンゲ死んじゃってる?ってところまで混ぜたとしてもちゃんと浮いてくれるって事が確認出来れば自分の生地はけっこう殺し気味でOKなんだな。そのくらいの生地が返っていい感じの生地だ!なんて事がわかったりすると、大分コントロールの幅も広がりますよね。

今回の生徒さんも

「こんなに混ぜても大丈夫なんだぁ…

けっこう混ぜて殺した方がわたし好きかもしれない…」って言ってました。

 

'普段作っていてなかなか家ではやらない事'

 

これをぜひぜひ沢山うちのレッスンでやって欲しいと思っています。

 

今回の授業

'死ぬ'

'死なない'

'殺す'

'殺さない'

話だけ聞いてると

なんとも物騒なワードが飛び交う(笑笑笑)

そんな授業でもあったのでした。